なんとかかんとか、無事に田植えが終わりました!
ここ高柳では、6月14日〜16日に柏崎市で開かれる「閻魔市(えんまいち:露店市)」までに田植えを終わらせるのが一つの目安になっています。昔からこの時期になると、 「田植えは終わったかい?」 「まだだ」 「閻魔市までに終わればいいさ」 といった会話がよく交わされます。
終わらない、畦の草刈り
田植えの次に待っているのは、畦(あぜ)や法面(のりめん)の草刈りです。ここから稲刈りまで、ひたすら草を刈り続ける日々が始まります。
草の成長スピードは本当に凄まじく、やっと刈り終えたと思っても、きれいな状態は数日も持ちません。 昔はシーズン中に3回ほど刈っていましたが、最近は溝切りやイノシシ除けの電気柵張りなど、昔にはなかった作業が増えました。さらに夏の暑さも「灼熱地獄」になり、とても手が回りません。今は頑張って2回、下手をすると1回刈るのがやっとになってきました。
畦に草が茂っていると、カメムシなどの害虫が寄ってきますし、何より歩きにくくなります。 さらには、「あいつは畦の草刈りもしない」と村の先輩方の茶飲み話の格好のネタになってしまうため、人目という意味でも畦をきれいにしておくことは大事なことなのです。
草刈り中の「小さなお楽しみ」
そんな大変な草刈りですが、嫌々やっている作業を癒やしてくれる、この時期ならではの楽しみがあります。
一つは、「セリ」の香りです。 畦に生えているセリを刈ると、特有の爽やかな香りがふわっと漂い、「あ、お吸い物の香りだ!」と嬉しくなります。草刈りをしながらセリの香りを嗅ぐのは、山間の田んぼならではの贅沢です。
うれしい出会いは他にもあります。 今の時期、畦草の中に洗顔フォームのような「丸くて白い泡」がたくさん見つかります。これはシュレーゲルアオガエル(カタカナですが日本の固有種だそうです)の卵なのだとか。
「あるな」と気づけばそっと避けて刈るのですが、気づかずに白い泡(気嚢)を切ってしまうことも……。そんなときは、心の中で「ごめん!」と謝りながら作業を続けています。
また、田んぼに行く道中で、総勢7〜8羽のカルガモの親子が道路を横断している姿に出くわすこともあります。そんな場面に遭遇したときは、「ラッキー!ちょっと得したな」と嬉しくなります。
人の手が入った里山の風景
畦や法面がきれいに刈り上げられた田んぼは、まさに「人の手が入った里山の風景」そのもので、私自身も「ああ、きれいだなあ」としみじみ感じます。
そのうち高齢化や人手不足で除草剤のお世話になる日も来るかもしれませんが、できるだけ、この美しい景色を人力で残していきたいと思っています。
(村田功)